埋葬されてもゲームがしたい

PC/Steamゲームのプレイ感想を中心に書いてます

【To The Moon】色褪せない名作ツクール作品【感想】

PCでは日本語で遊べるのがPLAYISM直販オンリーだったのですが、Switch版の発売と共にSteamでも日本語でプレイが可能になりました。※一部表記ズレ有

 Steam:To the Moon(980円:日本語有り)

www.youtube.com ※Switch版の日本語トレイラーです。

To the Moonはシリーズ作品で、2020年には3作目の発表がされています。(日本語化は1作目のみ)

store.steampowered.com

1作目にあたる『To the Moon』は2011年に作成されたRPGツクール作品は、今プレイしても表現や演出の仕方が綺麗でオススメです。

主人公の2人『ワッツ』と『ロザリーン』の会話がコミカルで楽しく、ダレることなくクリアまで一気にプレイ出来たのも良かったです。『A Bird Story』は操作が少なく、退屈だと思った人にもオススメできます。

本作の舞台は近未来。主人公の2人は少し変わった仕事をしています。それは、人生の最後の最後、思い残すことなく死を迎えるために、思い残した夢を叶えてあげること。彼らは、あるマシンを通じて、人の記憶にコンタクトし、少しずつ過去へと遡りながら、記憶の奥深くに思い残した願いを設定します。すると、マシンはその人の記憶と願いを掛け合わせ、叶えたかった夢へと向かう仮想の人生を再生します。

人の意識の中で、夢を叶えてあげるのです。今回のオファーは、ジョニーという老人からの『月へ行きたい』という願い。2人が老人のところへたどり着いた時には、もう彼はこん睡状態にありました。どうして彼は、月へ行きたいのか?彼の一生はどのようなものだったのか?そして、彼は月へ行けるのか……。この切なく美しい物語を、ぜひ体験してみてください。「ゲームの特色」独特のゲーム体験冒険要素伝統的なRPG美学の融合高評価のオリジナル音楽と濃密な物語感動的なストーリー ~store説明文~

以下ネタバレ感想

幼少期まで記憶を遡り、依頼人の『ジョニー』と妻の『リヴァー』が初めて出会ったシーンは本当に感動した。

『リヴァー』が髪を短く切って、ウサギの折り紙を折り続ける奇行と思われた行動に、ちゃんと意味があったこと。初めて出会った時の約束を『ジョニー』に思い出して欲しかったから、 全ての『リヴァー』の行動に意味があったと理解できた瞬間には涙で画面がぼやけていた。

 

双子の兄『ジョーイ』を幼少期に無くしたキッカケ等で『リヴァー』と初めて出会った事を思い出せなかったが、漠然と『リヴァー』に会いたい=月へ行きたいという思いだけが『ジョニー』には残っていた。

『リヴァー』の「もし、忘れてしまったらどうするの?」の問いに、「いつだって、月の上で会えるさ!」と答えていたジョン。

※過去を思い出せない要因のひとつとして、母親も事故のショックで『ジョニー』を『ジョーイ』扱いするようになり、嫌いだったピクルスが好きになったり、『ジョーイ』が好きだった本を読んでもないのに好きだと思う記憶改竄が起きていた。

 

『リヴァー』の本当の想いが分からぬまま、すれ違いのまま『ジョニー』が一生を終えるのは余りにも切なすぎる…。この経緯を再構築し、ハッピーエンドを迎えるのだろうと思ったが違った。『月へ行きたい』という依頼を遂行する為に、『ロザリーン』は過去の記憶を大きく改変する演出は、形としては一番のハッピーエンドなのにクリアした直後は納得できなかった。客観的に二人の人生を見てきたから「こうあって欲しい」という思いがあった。

 

最後に…

幼少期に二段ベッドを見せてプレイヤーに感づかせたり、『ジョニー』が海に投げたお手玉は、カモノハシの人形と一緒にプレゼントしたお手玉と後から判明する演出は本当に上手いと思いました。プレイヤー側で「本当はこうじゃないのか…?」と物語へ没入しやすい演出は本当に素晴らしく…途中途中に『ワッツ』が物語を退屈しないように冗談を言ってくれたのも大きい。

やっぱり、感動のピークは二人が初めて出会ったシーンだと思う。切ない終わり方をしたからこそ、記憶に深く残りました。 だからこそ誰かに語りたい…伝えたい…って思える作品だと思います。